平成28年12月定例会における白石たづ子の一般質問ならびに答弁要約を掲載します。
ぜひご一読いただければ幸いです。
◆白石たづ子の質問内容全文はこちらからPDFでご覧いただけます。
「人権施策」について
【白石たづ子】
本市の人権施策について伺いたい。
本市では、あらゆる場を通じた人権教育・啓発を推進しているが、LGBT、DV被害者への支援についてはどうか。LGBTの存在は抽象的には分かっていても、当事者がカミングアウトしにくい社会であることもあり、具体性と現実感が乏しいという実態がある。そのような中で、社会の側から仕事面、生活面で「見えない差別」を無意識のうちに生み出してはいないか。
思春期に、当事者が性的違和を感じた場合に相談できる場所が必要と考える。実際に自分がセクシュアルマイノリティであると自認した時、将来のロールモデルが見えずどうやって生きていったらいいのかわからない。自己肯定感が持てず、いじめの標的になる可能性もある。不登校、自傷行為、自殺等の要因になることも考えられる。そのような認識のもと、何点か質問する。
【Q8】白石たづ子
LGBT、DV被害者への支援について基本的な考え方と、具体的な支援について伺いたい。
【A8】部長
多様な性のあり方を尊重する社会を築くには、その多様性を知り、受け入れる意識を社会全体で醸成することが必要と認識している。まだドメスティック・バイオレンスは男女の性別役割分担意識や経済力格差など社会構造に起因する問題であり、地域社会をはじめ、家庭や学校における「あらゆる暴力の根絶」への意識の醸成が求められる。
具体的支援として、LGBTへの対応は、トランスジェンダーなど当事者を講師に迎えた講座の開催、相談窓口、支援団体の情報提供に取り組んでいる。DV被害者に対しては本年度より「一般相談・DV相談」窓口を常設化、相談対応を拡充し、必要に応じて「専門相談」へ繋ぐほか、緊急性、危険性の高い事案は向日町警察署や京都府家庭支援総合センターなど関係機関と連携した「DV被害者等へのワンストップ支援」による対応に努めている。
【Q9】白石たづ子
教育現場での対応についてはどうか。「誰でもトイレ」の設置についてや、中学の制服選択についてはどのようにお考えか。
【A9】教育長
本市男女共同参画推進課作成の冊子(Dreams come true)の中で、性による差別、LGBTについて述べられている。市内中学校ではこの冊子を使い3年生(一部2年生)の教科学習に関連付けて学習している。
LGBTの児童生徒への対応としては、他の相談同様に、日常の様子や会話等から気になることがあれば個別に話しをする機会を設け、思いを受け止めるようにしている。また、中学校では年2回の教育相談週間での個別面談も実施している。相談内容を受け、個々のケースごとに本人・保護者とも協議して対応を進めていくようにしている。
「誰でもトイレ」は様々な人に配慮された「多目的トイレ」と呼ばれている。本市の小中学校では順次設置を進めているが未設置の学校もあり、改修工事等のタイミングも勘案し設置に努めていく。名称はこれまで「多目的トイレ」を用いていたが、今後は「みんなのトイレ」を使用し、絵図も併記して児童生徒がわかりやすい表示にしたい。この名称を使うことで、障がいのある児童生徒だけでなく、LGBTの子どもたちが安心して学校生活を送れるよう努めていきたい。
「中学校制服選択」について、本年度の1年生からすべての中学校でブレザーになった。制服は各校が生徒やPTAと検討し決定している。LGBTの生徒の制服選びは本人の思いを十分に考慮し柔軟に対応して行く。
【Q10】白石たづ子
職員の啓発について、また市民、企業、病院などへの理解も必要だと考えるが本市の考えを伺いたい。
【A10】部長
LGBTやDV被害者に対しては地域社会全体の理解が必要であると考える。本市では人権研修、各種講座の受講奨励、男女共同参画推進本部研修会開催等により職員への人権尊重意識の確立と知識の普及に努めている。
例年「女性に対する暴力をなくす運動」期間に合わせ後方長岡京に特集記事を掲載、今年度は全職員が女性に対する暴力と児童虐待防止のシンボルであるパープルとオレンジのリボンを着用し、広く啓発に努めている。
医療機関に対しては、乙訓医師会を通じて女性交流支援センターの相談体制の周知を図り、被害者支援に向けた連携を深めている。最近では若年層への教育を重視し、市内高等学校での「デートDV出前授業」にも力を入れている。