【白石質問】
フレイル、いわゆる高齢者の虚弱を意味しますが、フレイルは要介護状態に至る前段階として位置付けられ、身体的、精神・心理的、社会的脆弱性などの多面的な問題を抱えやすく、自律障がいや死亡を含む健康障害を招きやすいハイリスク状態を意味すると定義されています。
75歳から急に増えるともいわれており、フレイルは筋力が低下したり、外出しなくなったり、食欲が落ちたりすることなどで進行すると言われ、一人で過ごす日が増えて、気分が沈みがちになることも要因と考えられています。
新型コロナウイルス感染拡大防止の為、各種行事や会合、交流の場等の中止など、高齢者の健康増進や社会参加のために実施してきた活動ができなくなったことや、高齢者自身が病院への通院や、買い物等を控えていらっしゃる状況が見受けられます。
また、第3波ともいわれるコロナ禍で、家族から外出することを止められている高齢者も多く、ご近所との交流機会も減り、閉じこもりになっている高齢者が確実に増えており、精神的につらくなっている方や、不安な気持ちで毎日を過ごしておられる方も多いとお聞きしております。
そして、デイサービス等の利用を控えることで、これまでどおりの介護やリハビリを受けられず、要介護者の状態の悪化や、家族の負担等も懸念されております。
【白石質問1】
新型コロナウイルス禍における高齢者、独居高齢者や高齢者のみ世帯の現状把握についてはどのようなものでしょうか?お伺いします。
【市長答弁】
コロナ禍であるからこそ、感染予防に留意し、高齢者の現状を把握することは重要であると考えております。
毎年、民生児童委員の方に協力をいただいている高齢者の実態調査につきましては、調査日や連絡先をあらかじめ手紙でお知らせし、対象者の希望に応じた調査方法に変更して、例年通り行っていただきました。
また、健康フェスタについても、今年度は「集合型」ではなく、「個別電話連絡・訪問型」に切り替え、対象地域を限定し、健康チェック票にて健康把握をしたのち、必要な方には地域包括支援センターの職員が、個々に訪問を実施しております。
包括支援センターの今年度上半期の相談件数は1,717件増え、特に電話相談の件数が増えている状況であります。これはコロナ禍における健康不安などにより、複数回の対応が必要になったことが要因と存じますが、しっかりと相談の受け止めはできているものと考えております。
今後も、高齢者を取り巻く関係機関が、感染拡大の状況を見極めながら、実施方法を工夫し、高齢者の現状把握に努めてまいります。
【白石質問】
新型コロナウイルス感染予防につきましては、高齢者に限らず、どの年代にも必要不可欠ですが、重症化しやすいと言われている高齢者にとっては、感染症予防を重視すると、フレイルが顕在化するという状況になります。3密を避けながら、高齢者の体力維持や外出の機会、社会的つながりをどのように設けていくかが重要となってきます。
これから冬を迎えるにあたり、コロナ禍とインフルエンザの流行という2つのリスクの重なりも予想されます。密集・密接・密閉の回避、外出自粛、会合中止、行事中止などのコロナ感染防止策が、フレイルになりやすい状況そのものであると言えます。
【白石質問2】
当市では高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施において、このフレイル予防に着目し今年度より実施しているとお聞きしていますが、具体的にどのようなことをされていますか。
【市長答弁】
本市では今年度より保健師がコーディネーター役となり、高齢者の個別的支援や通いの場などに積極的に関与しながら、各事業を一体的に取り組んでおります。
「高齢者に対する個別的支援」では、過去2~3年の間に長寿健診や医療機関の受診のない方(59名)を対象に、保健師による訪問を行いました。
訪問時にはフレイルチェックのほか、フレイル予防の啓発と長寿健診の受診勧奨を行いながら、支援が必要な方には地域包括支援センターへ連携しております。
「通いの場への積極的関与」では、地域のサロンや集いに保健師が参加し、フレイル予防の啓発、健診の受診勧奨のほか、支援が必要な方を把握し、関係機関と連携を行っております。
これら2つの事業を一体的に実施することにより、各事業から見えてくる健康課題などを分析し、今後の高齢者支援に係る事業全体の企画や調整を行うこととしております。
【白石質問3】
一体的事業を進めるにあたり、新型コロナウイルス感染拡大防止策とフレイル予防総合対策の両立についてどのような課題があり、それに対してどのように対応しておられるのでしょうか。
【市長答弁】
一体的実施の「通いの場の積極的関与」については、新型コロナウイルス感染拡大防止のために、地域でのサロンや集いの開催の自粛や、参加者の人数制限、また参加自粛などにより、フレイル啓発のための機会が減少するという課題が出ております。
議員ご案内のとおり、コロナ禍で重症化しやすい高齢者は、外出を自粛するなどの行動を制限される方もおられ、フレイルを招きやすい状況であります。そのため、ホームページや広報誌、また65歳以上の市民を対象とした増え居る予防チラシの送付等で、自粛時における家庭でできるフレイル予防啓発をしてまいりました。
現在はウィズコロナとして、フレイル予防の三大要素である「運動、口腔を含む栄養、社会参加」を総合的にアプローチするため、感染予防のみに着目すればフレイルを招くことをお伝えし、感染予防に努めながら、できるだけ地域でのサロンや集いなどで、交流活動が実施できるよう支援しております。