いま各地の議会では、来年度の予算を決める議会が開かれています。
自治体の予算の中でも、医療、介護、子育て支援、生活保護などの社会保障に関わる費用は大きな割合を占めています。
社会保障の議論になると、よく「持続可能性」という言葉が出てきます。
これは、社会保障の制度をこれから先も長く続けていくことができるのかという意味です。
日本では高齢化が進み、医療費や介護費は年々増えています。そのため社会保障の費用は国や自治体の財政の中で大きな負担になっています。
しかし社会保障を単なるお金の問題として考えるだけでは足りません。
社会保障にはもう一つ大切な役割があります。
それは、社会の中で生まれる生活の差を和らげ、人々の暮らしを安定させることです。
世の中には、病気で働けない人、収入が少ない人、子育てで大変な家庭など、さまざまな事情を抱える人がいます。社会保障は、そうした人たちを社会全体で支える仕組みです。
ここで重要になるのが「公平」という考え方です。
公平とは、すべての人に同じものを配ることではありません。
生活に困難を抱えている人に対して、社会としてどのように支援を行うのかという視点です。
社会保障改革とは、制度をただ小さくすることではありません。
制度を将来まで続けられるようにすること(持続可能性)と、本当に必要な人を支えること(公平)をどう両立させるか。
それこそが、いま議会で議論されている大切な政策課題なのです。
では、具体的にはどのような政策が考えられているのでしょうか。
例えば医療の分野では、病気になってからの治療だけでなく、予防や健康づくりを重視する政策が進められています。病気を防ぐことができれば、本人の生活の質も高まり、医療費の増加も抑えることができます。
介護の分野では、住み慣れた地域で生活を続けられるようにする「地域包括ケア」という考え方が進められています。施設だけに頼るのではなく、地域の医療、介護、福祉が連携して高齢者の生活を支える仕組みです。
また子育て政策では、保育の充実や教育費の負担軽減など、子どもを育てやすい社会をつくることが重要な課題になっています。少子化が進む日本では、子育て支援そのものが社会の将来を支える政策でもあります。
さらに重要なのが、働き方と社会保障の関係です。
非正規雇用の人や、フリーランスのような働き方をする人にも、年金や社会保険をどのように広げていくのかという議論も進められています。
このように社会保障の改革は、医療、介護、子育て、働き方など、社会のさまざまな分野に関わる政策です。
そしてその根底にあるのは、
「どのような社会で暮らしたいのか」という問いです。
誰もが安心して暮らすことができ、困ったときには社会が支えてくれる。
社会保障とは、そのような社会のかたちをつくるための仕組みなのです。
公平とは・・・
社会保障の話になると、よく「公平」という言葉が出てきます。
しかし、この「公平」という言葉は、実はとても難しい意味を持っています。
公平というのは、すべての人に同じものを与えることではありません。
人はそれぞれ、置かれている状況が違うからです。
たとえば、健康な人もいれば、病気や障害を抱えている人もいます。家族の支えがある人もいれば、一人で暮らしている人もいます。住んでいる地域や、受けてきた教育の機会なども人によってさまざまです。
社会保障は、こうした違いによって生まれる生活の不安や困難を、社会全体で支え合う仕組みです。
そのため公平とは、みんなを同じように扱うことではなく、それぞれの状況に応じて必要な支えを行うことを意味します。
言い換えれば、社会の中で困難な立場にある人に、少し手を差し伸べること。それが、社会保障における「公平」という考え方なのです。